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【Case.8 AZPower】クラウド移行、失敗しないための「準備」と「計画」 日本初「Advanced Specialization」認証パートナー、AZPowerに聞く必要なプロセス - 日経テクノロジーオンライン

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コロナ禍でテレワークが普及し、会社以外の場所で仕事をする機会が増えた。以降、状況が長期化していく中で、安全性や利便性等の観点から、オンプレミスで運用してきたシステムのクラウド化を検討する企業が増えている。あらゆる企業において、インフラの見直し、業務環境の改善、自社のIT戦略自体を大きく見直す必要に迫られ適応力を求められているのは明白だ。しかし、必要な手順を踏まずに失敗するケースがよく見られるという。日本企業として初めてマイクロソフトの「Advanced Specialization」パートナー認証を取得したクラウド・インテグレーターのAZPowerに、失敗しないクラウド移行のポイントについて聞いた。

クラウド移行、失敗に見られる2つのパターンとは?

「初めてクラウド化に挑む企業が陥りやすい失敗にはいくつかありますが、今回はその中で弊社が実際のお客様に見てきた2つのパターン例をご紹介します」(尾谷氏)

AZPower株式会社
クラウドインテグレーション本部
本部長兼プリンシパルコンサルタント
尾谷 武弘 氏

1つ目のパターンは、オンプレミスで得た経験とノウハウをそのままクラウドへ持ち込もうとしてしまうことだ。例えば、オンプレミスで運用していたバッチサーバーをそのままクラウド上で仮想マシン(VM)化しようとする。クラウドには様々なオートメーションサービスがあり、それに置き換えることで運用負荷を下げられるのだが、そうした考えに至らない。

2つ目は、必要な制限を全くかけずにクラウドの運用を始めてしまい、管理者が気づかない間に利用料が高額になってしまうパターンだ。クラウド運用に関する十分な知識がなく、コスト意識が希薄な場合に起きやすい。

いずれのパターンも、クラウドへの移行に必要なプロセスをきちんと踏まなかったことが原因だ。

尾谷氏によれば、クラウドへの移行をいくら急いでいても、必要なプロセスをきちんと踏んで進める必要がある。その方が結果的には早く低コストで移行できる。「最初に移行の全体像を把握し、移行作業のロードマップをしっかりとイメージすることが大切です」(尾谷氏)

過去の成功ノウハウが生きるマイクロソフトのフレームワーク

マイクロソフトは自社のクラウドサービス向けにクラウド導入フレームワーク「Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure(CAF)」を策定している。これまで蓄積された顧客の成功事例に基づいた、ビジネス戦略とテクノロジー戦略の作成と実装を支援することを目的とした、実証済みのガイダンスである。技術的な部分だけではなくビジネス戦略、プロセス、組織にわたって包含して設計されているこのガイダンスに従ってプロセスを進めることで、検討の漏れやミスを防ぎ、達成すべきビジネス目標に対して、どのようにクラウドを用いればよいのかを具体化しながらクラウドへの移行を進めることができる。

クラウド導入フレームワーク(CAF)の概要

CAFは専門組織(CCoE)の立ち上げに始まり、戦略の定義、計画、導入準備、採用へと進んでいく。「今回は中でも、計画と導入準備のフェーズの重要性についてお伝えします」(尾谷氏)

計画フェーズの中のアセスメントでは、オンプレミスで運用している現行のシステムとクラウド移行後のシステムのギャップを埋めていく。

Azure Migrate と呼ばれる専用ツールを使用して、クラウド移行後に必要なスケールを検討する。例えば現在オンプレミスで50台のサーバーが稼働している場合、同じ数量のCPUとメモリー、ディスクの構成のままクラウドへ移管しようとするとオーバースペックになる場合が多い。そこで Azure Migrate によってクラウド化した後のパフォーマンスを試算しながら、現行システムとのギャップを勘案し、実際にデプロイするスペックを決めていく。

一方準備のフェーズでは、計画フェーズで求めた計画に沿って Azure をセットアップしていく。そこでのキーワードは「ランディングゾーン」になる。ランディングゾーンとは、クラウド上のワークロードのホスト環境だ。アプリケーションを動作させる環境のサイズや場所などの制限を含め、クラウド上でアプリケーション群を使用するためのポリシーを定義する。

例えば、移行の対象となるサービスを東日本のエリアでしか展開しない場合、アプリケーションの使用条件を東日本に限定してしまう。こうした縛りを丁寧に設定しておくことで、管理者が想定していない使われ方を抑制できる。

とはいえ初めてクラウドへの移行を体験するユーザーが、こうしたポリシーをゼロから考えるのは難しい。そこでAZPowerでは、顧客の業務内容やシステムの規模、アプリケーションの活用状況などを勘案し、推奨される設定を提案している。顧客はそれをカスタマイズすることで、容易に準備を進めることができる。

日本初の「Advanced Specialization」パートナーとマイクロソフトの深い連携

2020年10月、AZPowerは日本企業として初めてマイクロソフトの「Advanced Specialization」(「Microsoft Azure へ の Windows Server と SQL Server の移行」分野)パートナーの認証を得た。CAFに基づいてクラウド移行を支援するのに十分な体制と技術力を備えていることが、第三者機関の監査によって証明された。

「Advanced Specialization」パートナーは、プリセールスから案件の加速と最適化に至るまで、マイクロソフトとの深い連携によって様々なサービスを提供できる。

Advanced SpecializationパートナーであるAZPowerと
マイクロソフトの連携によるカスタマージャーニーを推進するプログラムスキーム

このスキームでは「情報収集から始める」から「動機・目的を具体化する」「計画・検証する」「移行を進める」までお客様のフェーズに応じて必要となる適した施策を提供する。まず「情報収集から始める」のフェーズでは、マイクロソフトとの協力によってウェビナーやプロモーションを通じクラウド移行のメリットや方向性などについてより多くの企業に知ってもらう活動を行う。

次の「動機・目的を具体化する」では、Azure イマージョンワークショップという少数社参加形式のインタラクティブなワークショップにより、それぞれの企業にとってのクラウド移行による動機・目的について具体的イメージを持っていただく。

ただ単にレクチャーを受けるだけでなく、Azure Migrate のハンズオンやCAFのCloud Journey Trackerというチェックシートを使いながらクラウドへの移行プロセスを具体的に検討し、移行プロセス全体のイメージを作り上げる。

その次に「計画・検証する」ステップとしてアセスメントサービスを提供しコスト試算、移行プランを提示する。現在使用中のサーバー群のインベントリを収集してレポートを作成し、いつどのサーバーを移管していくべきか計画を立てる。顧客の環境にサーバーを立ててデータ収集を行うため、この作業は迅速に完了するという。ここでもマイクロソフトとの協力でお客様のコスト面での負担を最小限に抑えてアセスメントサービスが提供できるスキームとなっている。

またこのフェーズで提供する個社別 Azure ワークショップでは、VM、ネットワーク、データベース、IDの4カテゴリについてさらに詳しく検討できる内容を用意している。セミナー形式の技術的な解説に加え、顧客独自の課題を Azure で如何にして解決するべきか、双方向のディスカッションで進めていく。

全体像が定まった後は必要に応じてPOCと呼ばれる検証工程のフェーズに入る。ここでは負荷の少ないVMを実際に Azure 上で稼働させてみて、問題の有無を検証する。

こうした顧客企業の各フェーズに必要なガイダンスを適切に提供することで、最終的に「移行を進める」のフェーズで移行作業に入る。ここでもサーバーマイグレーションにおけるAdvanced Specializationを取得しているパートナーとして、AZPowerはマイクロソフトの移行サポートプログラム (Azure Migration Program)を適用でき、顧客企業のよりスムーズなクラウド移行をサポートできる。

もちろんこれらAZPowerが提供する各フェーズのプロセスはすべて行う必要はなく、クライアントの事情や希望に合わせて必要なものを実施するという。

「CAFをそのままお客様に見せて説明するのは難しいため、お客様のリテラシーレベルに合わせて導入のプロセスや考え方、プランニング等を丁寧に説明して支援しています」(尾谷氏)。同社ではCAFをベースとした独自の導入手順書を策定している。これを使用して、顧客のIT環境のアセスメントや移行に関するリスク評価などを進める。必要な情報を顧客に提供するだけではなく、ワークショップで顧客に手を動かしてもらいながら、プロセスを具体的にイメージできるよう支援するAZPowerのアプローチは、マイクロソフトからのお墨付きを得ている。

最後に尾谷氏は「カスタマージャーニーを確実に実現しながら、Azure への移行をより多く成功させていきたい」と話す。クラウドへの移行を成功に導くため、CAFの活用は今後ますます進むだろう。

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December 26, 2020 at 12:26PM
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